LINEで気軽に相談ができるサービス、「LINEヘルスケア」で問題が起きている。相談者がLINEヘルスケアで悩みを相談したところ、医師から「言葉にできないやつはガキンチョだということですよ」「生きている価値がないというのは正解なんでしょうねぇ」「深く考えると結論としては、死ぬのが正解となりますし、たぶん正解なんでしょう」などの暴言があったという。なぜこのような問題が起きたのかについて、SNS関連サービスに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが解説する。
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周囲でも、「(LINEヘルスケアで)相談できてほっとした」「相談したのに、ろくに答えてもらえなかった」と評価が分かれるLINEヘルスケア。実態はどうなっているのだろうか。
LINEヘルスケアは、「24時間365日、医師に相談できる」とうたう、病院へ行かなくてもLINEで医師に相談できるサービスだ。内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の全国約2000人の医師が登録されている。利用者はアプリで医師を選び、「いますぐ相談する」のか「あとから回答をもらう」のか相談方法を選択し、トーク画面で相談する。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い病院へ行くのを控える動きが広がるなか、その対応策のうち「一般の方が抱える健康不安に医師が24時間でチャットによる相談に対応する窓口」として、経済産業省の「令和2年度補正遠隔健康相談事業体制強化事業」にLINEヘルスケアが採択された。コロナの影響が続いているため当初の予定より対象期間が延長され、8月末まで利用は無料だ。運営会社によると、LINEヘルスケアの今年2月時点での相談件数は前月比で40倍、友だち数は400万人に。その後も順調に利用は増加している。
ところが、LINEヘルスケアの登録医師から、相談に対して「死ぬのが正解」などの暴言メッセージを送られたスマホのスクリーンショットが8月2日に拡散され、炎上状態に。その後、運営会社は事実関係を確認。その日の夜にはTwitterとスマホ向けサイトでお詫び文を掲載、8月3日付で「医師1名においてお客様に対して利用規約違反の行為が確認されました。お客様の気持ちを傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしました」という謝罪文を自社サイトに掲載し、該当の医師を2日から利用停止にしている。
LINEヘルスケアでは、医師免許および本人確認を徹底し、自社で決めた所定の基準を満たした医師が登録しているという。参加する医師は、自社ガイドラインや各種法規制を遵守することに同意もしている。では、なぜ問題が起きてしまうのだろうか。
診療ではなくあくまで健康相談というすれ違い
「オンラインで医師に相談できる」サービスと聞いた場合、皆さんはどこまで期待するだろうか。
厚労省のガイドラインによると、このようなサービスは主に「オンライン診療」「オンライン受診勧奨」「遠隔健康医療相談」の3つに分けられる。「オンライン診療」「オンライン受診勧奨」には診断等の医学的判断が含まれるが、「遠隔健康医療相談」には含まれず、一般的な情報提供にとどまる。