連載50年を迎える『ドラえもん』(藤子・F・不二雄さん作)。そのメモリアルエディションとして12月1日に発売される豪華愛蔵版全45巻セット『100年ドラえもん』の完成披露発表会が8月14日、小学館で行われた。
今回予約販売されるのは、『ドラえもん』てんとう虫コミックス・全45巻を“ドラえもんが誕生する100年後まで届けたい”をコンセプトに、保存性高く仕上げるべく注力し、用紙から印刷、製本まで徹底的にこだわった究極の愛蔵版だ。ドラえもんルームの徳山雅記編集長はそのコンセプトについて、こう話す。
「のび太の孫の孫のセワシ君が100年後の未来から連れてきてくれた“みんなの友達ロボット”ドラえもん。このドラえもんに僕たちは漫画を通してどれだけ助けられたかわかりません。この素晴らしい漫画体験を100年後の未来の子供達と分かち合いたい。そういう気持ちで、コミックスを今考えられる最高の仕様で紙の本にして、その手触り、紙をめくる体験のまま100年後に伝えたいという思いで制作しました」
全巻の定価は7万円(税抜き)と高額だが、3月28日の予約開始から、コロナ禍にありながら予想を上回る申し込みが寄せられ、現在8月13日時点で7000セット超え。8月31日の予約締切までには12月1日お届け分の限定1万セットを超える見込みだという。
今回の愛蔵版には、さまざまなこだわりが込められ、たとえばカバーを開いた見返し部分には、越前の和紙メーカーが特別に作った完全オリジナルの「100ドラ透かし和紙」を使用。ドラえもんの顔と文字の透かし模様が楽しめるデザインとなっている。
また、布クロス製のハードカバーには、未来に残すことを考え、汚れを防止する加工や、子供がジュースをこぼしても大丈夫なように撥水加工も施されている。
表紙と裏表紙には、その巻に出てくるドラえもんと、のび太やドラえもんの仲間たちのひとコマをそのまま登場させた。ブックデザインを担当した名久井直子さんが振り返る。
「カバーに使っている絵を見たら、有名なお話や思い出深いお話も、この巻に入っていることがわかるように作っています。時代によってドラちゃんがちょっとずつ変形していったり、キャラクターみんなの顔がアップデートされていく様子を肌で感じていただけたらと思っています。
今回、長くブックデザインの仕事をしている中で初めてですが、防汚や防水といった加工もしています。豪華版というと箱に入れたまま開かない印象がありますが、すごく軽く作っていますし、開きもすごくいい。のび太くんがよく座布団を二つ折りにしてゴロンと横になって漫画を読んでいますが、それが可能な作りになっていますので、たくさん漫画を読んでいただきたい」