日本でもアメリカでも、教員組合というのは政治的に左派勢力と結びつきやすい。コロナ禍のアメリカでは、それが学校を再開するかしないかという政治論争に結び付いてしまった。教員組合の行き過ぎた“安全神話”を著名ジャーナリストMonica Showalter氏が告発する。
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ドミノ倒しが起きている。教員組合の主張に従って各地で学校は年内閉鎖を発表したが、その方針が変わり始めている。それは、ニューヨークのデブラシオ市長、そしてニューヨーク州のクオモ知事から始まった。ニュージャージー州のマーフィー知事もこれに加わって学校再開を決めたが、彼は同州の教員組合から大きな反発を受けている。
Politicoの報道によると、
《ニュージャージー州のマーフィー知事は、同州の学校は順次再開し、オンライン授業を利用するためには、各学区が同州に対して、対面学習を安全に再開できないことを証明しなければならないと発表した。
「少なくとも対面とオンラインの併用ではダメだという論理的根拠がなければならない」と、マーフィー氏は定例会見で述べた。「できないことには理由があるはずだ」》
マーフィー氏によると、本当に開校したくない学校では例外を設ける可能性がある。しかし、彼ら自身が開校は無理だと証明する責任があるということだ。それはほぼ正しいことだが、ニュージャージーでは教員組合が高度に組織化されており、彼らは、換気のために管理人に窓を開けさせるのは危険すぎて無理だと主張できるだろう。
教員組合は、独自の基準に基づいて学校の再開に賛成しているとしているが、その姿勢は批判を浴びている。彼らの基準とはこうだ。
《教員組合のリーダーは、「科学とデータが、私たちが責任を持って学校再開できることを示し、安全を確保する設備が私たちの学校で利用可能になった時点で、知事の直接指導に移行するという目標を完全に支持し、共有する」と述べた。》
イギリスで行われた最新の科学的研究によると、教師が子供からコロナウイルスに感染する可能性は極めて低いという。コロナウイルスの発生後に開設された200の施設から集められた1万人の学生には、ほとんど感染者はいなかった。そうした調査結果が示しているのは、教員組合が迷信的だということだけだ。