スポーツ

パラスポーツの進化 健常者上回る記録が出てきた背景は

ロンドン五輪に出場した両足義足のオスカー・ピストリウス選手(ゲッティイメージズ)

 近年、障害者スポーツの報道量は増える傾向にある。かつて障害者スポーツのメディアの取り上げ方としては「障害を持った人がこんなにがんばっている」というものが大半だったが、1998年の長野パラリンピックを機に改めて広く認知されるようになり、だんだんと健常者のスポーツと同じように扱われるようになってきた。

 特に2004年のパラリンピック・アテネ大会あたりからは、車椅子テニスの国枝慎吾選手のように世界で活躍する日本人アスリートが登場したことから、「パラスポーツ」の名称も定着してきた。

 それに加え、なんといっても近年は、大幅な競技レベルの向上が見られるようになってきた。両足の下腿(ひざから下の箇所)切断のクラスで短距離を走るランナーだった、南アフリカのオスカー・ピストリウス選手は、両足義足の選手で初めてオリンピックに出場した(2012年ロンドン大会)。

 また、右足下腿切断のマルクス・レーム選手は、走り幅跳びで8m48cmの記録を出している。これは健常者の日本記録8m40cm(城山正太郎、2019年)の記録を上回っている。さらに、陸上女子の1500mや男子の円盤投げでも、健常者における日本記録を上回る記録が出ているのだ。

 パラスポーツの認知度向上に伴い、障害者スポーツを題材にした映画や小説も増えているようだ。最近では、義足の高校生アスリートを主人公にした青春マンガ『新しい足で駆け抜けろ。』(みどりわたる作、『ビッグコミックスピリッツ』に連載中)などがある。新型コロナウイルスによって激変する高校スポーツの世界をリアルに描いて人気だ。

 同作が舞台とする、義肢を用いる障害者スポーツの場合、道具が競技のパフォーマンスに与える影響は大きい。義肢が進化すれば、それに合わせてアスリートも身体を鍛えようとするので、道具と身体が高度に合致することで、さらなる記録の向上が見込めそうだ。

関連記事

トピックス

28年ぶりの再会したCHA-CHA(撮影/小澤正朗)
【独占告白】あのCHA-CHAが帰ってきた!28年ぶりの再会ショット公開、発起人が語る「今のCHA-CHAを見せたい」理由と再始動への熱き思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
阿部監督
岡本の負傷、坂本の起用、秋広のトレード…巨人が貯金ゼロで4位転落の緊急事態に大物OB・広岡達朗氏が苦言「1年目の阿部はよくやっていたが、だんだんダメになっている」
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
《TBS夜の顔・山本恵里伽アナが真剣交際》同棲パートナーは“料理人経験あり”の広報マン「とても大切な存在です」「家事全般、分担しながらやっています」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《西内まりやが芸能界引退へ》「自分らしい人生を見つけていきたい」理由のひとつに「今年になって身内がトラブルを起こしていることが発覚」【自身のインスタで発表】
NEWSポストセブン
出演しているCMの画像や動画が続々と削除されている永野芽郁
《“二の矢”で一気に加速》永野芽郁、止まらない“CM削除ドミノ”  旬の著名人起用で“チャレンジ”続けてきたサントリーからも消えた 永野にとっても大きな痛手に
NEWSポストセブン
真剣交際が報じられた犬飼貴丈と指原莉乃(SNSより)
《仮面ライダー俳優・犬飼貴丈と真剣交際》“芸能界の財テク王”指原莉乃の「欲しいもの全部買ってあげる」恋愛観、私服は6万超え高級Tシャツ
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン
奥本美穂容疑者(32)の知られざる”アイドル時代”とは──(本人SNSより)
《フリフリのセーラー服姿》覚せい剤で逮捕の美人共犯者・奥本美穂容疑者(32)の知られざる“病み系アイドル時代”【レーサム元会長とホテルで違法薬物所持の疑い】
NEWSポストセブン