はたして来年、東京五輪は開催すべきかどうなのか?「決定までのタイムリミットは10月」説も登場する中、日本にとって最良の決断とは何なのか。自民党都連最高顧問の深谷隆司氏(84)は次のように考える。
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こんな状況だからこそ来年に開催すべきだと思います。
近代オリンピックは、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵が復興させたもので、クーベルタン男爵はオリンピックを「平和の祭典」と位置付け、「スポーツを通じて平和な世界の実現に寄与する」ことを目的としています。各国の威信をかけて戦うことや勝敗だけではなく、「ルールを遵守し正々堂々と全力を尽くす」という「フェアプレーの精神」が重視されます。
いま世界ではアメリカと中国の間で緊張感が高まり、日中間でも尖閣諸島に中国船が長期間航行するといったことが起きています。世界中の政情が新型コロナ感染で不安定になっているのです。
そういう時期だからこそ、各国が様々な事情にとらわれず、オリンピックという平和の祭典で一緒に集う。いつもより五輪の意義が生きてくると思っています。