2014年ごろからSNSを中心に広まった「パパ活」は、最近では専用アプリやサイトも登場し、さかんに利用されている。ところが、最近では支援してくれるパパを募集する女性が男性よりも多いのではないかと言われる状況もあり、女性にとって辛いばかりの結果しか出ないことが少なくない。新型コロナウイルスによって仕事を失い、パパ活に参入した元キャバ嬢についてライターの森鷹久氏がレポートする。
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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本全国のいわゆる「夜の街」が壊滅的なダメージを受けているのは周知の通り。どんなに対策を取っても客は来ず、それならばと廃業を決めた店舗も少なくない。
「5月分の給与も支払われず、最後は喧嘩別れのような感じで店を飛び出しました。辞めたからといって他に仕事があるわけでもなく、地方にある実家に戻ろうとしても、東京から帰ってくるのはやめろと親に言われてしまいました」
東京都港区のキャバクラ店勤務だった瀬戸かおりさん(仮名・20代後半)が店を辞めたのは今年6月。コロナの影響で客が減り続け、給与の未払いもあったことから、これ以上はやれないと感じてのことだった。大学を卒業後、新卒で入社したエステ店は1年ほどで退職。それから5年ほどを、夜の街一本で過ごしてきた。
「最初は池袋の安いお店、そのあと渋谷、歌舞伎町と店を移って銀座や六本木に来ました。収入は多い月で120万円くらい。ホストに行ったりもしないし、貯金はワンルームマンションが買えるくらいはあるので、将来のことなどほとんど考えてきませんでした。この後何をやっていいかわからず不安で……」(瀬戸さん)
コロナ禍によって無職になり、初めて自分の置かれた現実と対峙した瀬戸さん。アルバイトをしようにも仕事はなく、仕事を探そうにもスキルがなく、途方に暮れた。そこで知り合いから教えてもらったのは「パパ活」だった。
「その子もずっとキャバ一本でやってきた子で、やることがないからパパ活やってるって感じで。体の関係持たずに、デートとかご飯だけでも本当にお金がもらえるっていうので、出会い系アプリに登録してやってみたんです」(瀬戸さん)
「パパ活」とは、主に若い女性が、自身の生活をサポートしてくれる「パパ」を探す活動をすること。言葉だけを見ると、返済不要の奨学金をプレゼントしてくれる「あしながおじさん」を彷彿とさせ、瀬戸さん自身も、自身の「オンナ」を売りにして楽に稼げるものだと考えていたが、実態はもちろん違う。