スポーツ

札幌記念 洋芝適性ありそうなハービンジャー産駒を狙いたい

夏は牝馬、の格言もある

 一流馬が参戦してくることで知られる、最も格付けの高い夏重賞・札幌記念(GII)。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 昨年はブラストワンピースとフィエールマンがここをステップに凱旋門賞を目指していた。2014年もハープスターとゴールドシップが同じようにここからパリに向かったことで、札幌競馬場のリニューアルオープンはこれ以上ない盛り上がりとなった。それらにくらべると今年はメンバー的にも今一つ、という声が聞かれる。ラッキーライラックはGⅠ3勝だが前走宝塚記念では6着に敗れており、マカヒキが回避。他のGⅠ馬2頭も近走は勝ち負けからは遠ざかっている。出走はフルゲートに満たない12頭。このレース6勝の武豊騎手や川田、福永、松山といったリーディング上位騎手の参戦もない。

 近年は凱旋門賞など秋のGⅠへのステップレースとしての意味あいが強い。GⅡになってからの23回の勝ち馬のうち11頭が次走に天皇賞(秋)を選んでおり、2016年2着だったモーリスを含めれば4頭が勝っている。1番人気馬が7勝2着7回3着4回と堅実だが、ここ8年勝っていないのは、有力馬の目標は先、ということなのではないか。ラッキーライラックにしても、GⅠ舞台での打倒アーモンドアイこそが悲願であるはずだ。

 前走函館記念を使った馬が6勝で2着7回3着7回と最多だが、これは札幌記念である程度の結果を出し一段上のステージに上がろうかという馬たちがそのステップレースにしたり、洋芝適性を見込んでセットで臨んできたりしたケースが多いからだろう。2017年の覇者サクラアンプルールのように函館記念9着から巻き返した例もあるが、札幌記念で3着以内に入った馬のうち11頭は、函館記念でも馬券圏内に入っている。

 次に馬券に絡んでいるのは宝塚記念、安田記念からの参戦で、秋に向けて手ごたえを掴んでおきたい実績馬。合わせて13頭が馬券圏内にはいっているが、うち8頭が前走のGⅠでも掲示板に載っている。

 さすがにGⅠ昇格が望まれている1着賞金7000万円のレース。勝ち馬のうち20頭、2着馬も18頭までが重賞を勝っている。今年も12頭のうち8頭が重賞勝ち馬だ。ただしGⅡになって以後の23回でGⅠ馬として勝ったのはエアグルーヴ(2勝)、セイウンスカイ、テイエムオーシャン、ファインモーション、フサイチパンドラ、ハープスター、ブラストワンピースの7頭。ジャングルポケット、ゴールドシップ、モーリスやフィエールマンは勝てなかった。勝った7頭のうち5頭が牝馬だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
江口容疑者と自宅
《16歳女子高生の遺体を隠し…》「6人家族だけど、共働きのご両親が不在がちで…」江口真先容疑者(21)が実家クローゼットに死体を遺棄できた理由
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン