顔の形状からその人の内面を言語化し、コミュニケーションに役立てられる学問が「相貌心理学(そうぼうしんりがく)」だ。
その歴史は古く、1937 年にフランスの精神科医ルイ・コルマンがつくった分野で、「顔」を客観的なデータとして分析し、その人の人間性や性格を見立てていく。正確な診断を行えば、精度は99%にも及ぶという。
日本で唯一の教授資格取得者であり、世界にも15人しか存在しない相貌心理学者の佐藤ブゾン貴子さん(44才)は、「生活のあらゆるシーンで役立てることができます」と話す。そこで、顔のパーツごとに自分の顔や相手の顔を見比べてみよう。
【目尻】
◆「上がっている」人は話を聞かない
◆「下がっている」人は話をよく聞く
「目は知識や情報の取り入れ方に影響します。目尻が上がっている人は興味があることを追求しますが、上がるほど自分が見たいものしか見なくなり、人の意見を受け入れずに視野が狭くなる傾向があります。
目尻が下がっている人は、人の話をよく聞き物事を見つめる力がある半面、人の意見に流されやすい。ちなみに、目がパッチリ開いている人ほど好奇心旺盛で“ミーハー”なので情報収集が得意です。目が細くなるにつれ情報を絞り込むようになり、量より質を重視して情報を選択します」(佐藤さん、以下同)
コロナ禍のリーダーは「目尻が下がっている」小池都知事の方が上手
「目が印象的な東京都知事・小池百合子さんは、目から入ってくる情報に敏感で人からどう見られているのかを気にするタイプ。周囲に求められ注目されるほど力を発揮します。衝動的で理論的な考えが苦手な面もありますが、目尻が下がっていて顔の肉づきも豊富なので、聞く力もあるし柔軟性もあります。対して大阪府知事・吉村洋文さんは、目尻が強く上がっていて、顔の肉づきが少なく平坦ぎみ。人の意見を聞かず、視野が狭くなって孤立する恐れがあります」
【唇の厚さ】
◆「厚い」人は穏やかでほめ上手
◆「薄い」人は的確だが冷たい
「唇が厚い人は温厚で口調も穏やか。ほめ上手で、相手のやる気を引き出すのに長けています。一方、唇が薄い人は的を射た発言をしますが、時として冷淡に聞こえ相手を傷つけることがあるので注意しましょう。
口角は心の動向を表します。口角が上がっている人は楽観的でポジティブ思考、下がっている人は悲観的でネガティブな思考になりがちです。さらに、口が引き締まっている人ほど自己制御力が強い傾向があります」