コロナ対応で国民の支持を失い、“落日”の安倍政権は、国会を開かないことで延命を図ろうとしている。“見せず、聞かせず、言わせない”。国民の目と耳と口を塞ぎ、怒りの矛先を政権に向かわせないようにする企みだ。
そうやってあくまで逃げるつもりなら、国民が強制的に国会を開かせてみようではないか。
憲法第53条では国会召集についてこう定めている。〈いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない〉。この規定に基づいて野党側は7月31日に衆院議員131人(定数の約28%)の署名と共に「臨時国会召集要求書」を衆院議長に提出した。
しかし、安倍内閣には開く気が無い。自民党の森山裕・国対委員長は与野党会談でこう語って早期召集に難色を示したという。
「予算案や法律案が今のところないので、帝国議会以降の慣例でいえば、国会を開催する状況ではない」
ウソである。通常国会では安倍首相が力を入れる憲法改正手続きに必要な国民投票法改正案や種苗法改正案などが継続審議になっている。とくに国民投票法改正案について森山氏は「何としても成立を急がなければいけない」と語っていたではないか。
憲法53条には、内閣がいつまでに開かなければならないという具体的な定めがない。それを逆手にとって、サボタージュを決め込んでいるのだ。