【8月11日】
妻が5日ぶりに検査のために外出した。「決して口外しないでください」と職員から指定された検査場には、10人ほどの濃厚接触者が待機し、途切れることなく人が出入りしていたという。中には、小さな子供を連れた母親もいたようだ。
もしも陽性なら…
【8月13日】
夕方、保健所から妻に電話で検査結果が「陰性」だと伝えられる。これでようやく、外出や出社が解禁された。
約1週間の隔離生活で済んだが、検査で妻にもし陽性判定が出ていたら、さらに2週間の自宅待機期間が始まり、新たに自分が受けるPCR検査待ちと陰性判定が出るまでの隔離生活が待っていた。「コロナになったら無症状でも2週間外に出られない」という印象でいたが、家族が濃厚接触者というところから始まるともっと時間がかかるのだ。
新型コロナの恐ろしさは、「出口が見えない漠然とした不安」にもある。家族が濃厚接触者になり、身をもって感じた。
※週刊ポスト2020年9月4日号