家族が濃厚接触者になってみて、どこかで「対岸の火事」と思い込んでいた新型コロナの恐ろしさが、はじめてわかった。約1週間、感染の疑いが晴れるまでの本誌・週刊ポスト記者(30代男性)が隔離生活をレポートする。
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【8月7日】
「私、濃厚接触者になったかも……」というメールを妻から受け取る。東京では連日、400人超の新型コロナ感染者が確認されている中でのことである。妻によると、職場の同僚とランチをしたのが8月3日で、その翌日に同僚が発熱。さらに、“味覚を感じない”ためにPCR検査を受けたところ、陽性反応が出たという。
「2時間ほどマスクをせずに、その子と密な店内でご飯を食べた」と、妻。なんだか急に自分の喉の調子も気になってくる……。
体調は全く悪くないのだが、無症状で感染していて、既に編集部でウイルスをバラまいていたら? と、最悪の事態が頭をよぎり、上司に報告。まずは自分の感染の有無を確認したいと考え、民間クリニックのPCR検査を受けに行くことに。
院内には10人ほどの患者がおり、検査希望者がひっきりなしに来院する。看護師は全員、ゴーグルにN95マスク、防護服とフル装備だ。
「唾液が容器に溜まるまで出し続けてください!」