現在64才の郷ひろみ。1972年のデビューから、現在まで芸能界の第一線で活躍し続けている。今年も7月に105枚目のシングル『ウォンチュー!!!』をリリース、さらに月刊誌『ゲーテ』(幻冬舎)で連載された60回に及ぶエッセイを収録した著書『黄金の60代』(同)も出版された。そんな、今なお精力的に活動する郷ひろみに、インタビューを行った。
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郷が、芸能界に入ったのは15才のとき。近所に住んでいた女性が東宝映画『潮騒』のオーディションに応募したことがきっかけだった。映画のオーディションには落選したものの、会場にいたジャニー喜多川さんに声を掛けられ、ジャニーズ事務所に所属。フォーリーブスと同じステージに上ったところ絶大な人気を博し、「ゴーゴーヒロミ!」というファンの掛け声から芸名を「郷ひろみ」にしたのだとか。
1972年、16才でNHK大河ドラマ『新・平家物語』に平清盛の弟、経盛役で出演し、役者デビュー。同年、8月に『男の子女の子』で歌手デビューし、一気にスターダムを駆け上った。20才でバーニングプロダクションに移籍してからもヒット曲を連発し、獅子奮迅の勢いでスターとして揺るがぬ地位を手中に収めた。
「20代までは運に支えられていたんですよ。どんどん人生の転機につながる人に出会って、その人たちがどんどん運んできてくれた。これはすごいことです。でも30代からは運だけでは無理なんです。成功するために必要なものが4つあると考えているのですが、それは『感謝』と『勇気』と『コミットメント』と『運』です。歌にしても踊りにしても、努力して自分を磨いたり、どう自分を見せていくかを考えたりして、自己責任のもとに行動を起こしていく。そうやって運命を勝ち取っていかなくてはいけないということに、ぼくは40代に入ってから気づいたんです。
ラッキーだったのはソロだったこと。ずっとひとりでやってきたから、うまくいかないことがあっても誰かのせいにはできなかった。どんなときも逃げずにグッと堪えたから、いまの自分があると確信しています」(郷ひろみ・以下同)