放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、最近話題のお笑い第7世代より少し先輩、6.5世代「ハライチ」についてお届けする。
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コロナだ、熱中症だ、そんな中、渡哲也まで亡くなった。こんなに酷い夏はない。誰も気付いてないがひっそりと桑田次郎(二郎)も亡くなっている。戦後すぐ我々団塊世代に夢と希望となにより勇気をくれた『月光仮面』『まぼろし探偵』『8マン』の作者です。正しい正義とはなにかを漫画で教えてくれました。感謝。
暗くなりがちな気分の中、テレビをつければまた“日大”です。アメフトの騒ぎがおさまったら今度はラグビー部でまた問題が起きました。運動部は縦社会なので間違った正義がまかり通ります。
今回のコロナ禍でも自粛警察から始まり、いやな正義がありました。私のように日大でも芸術学部を出ているとなんか距離を置いてしまいます。まわりは「同じ日大なのに……」という目でみますが、古くから言われる日芸出身者の格言。「日芸というプライドと、日大というコンプレックスを併せ持って生きている」ひねくれているのです。屈折しているのです。
こんな時、明るくしてくれるのはテレビの呑気なバラエティ……と見れば、どんな番組にも必ず出ていて、どんな球でもひろって小さな笑いでみごとに返すのがハライチの澤部です。クリクリ坊主で一見なつかしの山下清風の男です。