日本でも報じられている通り、中国で食糧不足が懸念されている。習近平国家主席自らが「食べ残しをやめよう」と国民に訴える姿は世界から注目された。中国と対立を深めるアメリカではどう映ったか。American Thinkerの設立者であり編集人であるThomas Lifson氏が自らリポートした。
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中国の国民が共産党と習近平国家主席の独裁を受け入れるかどうかは、同党が物質的繁栄を守り続けていけるかにかかっている。しかし、突如として、十分な食糧供給ができなくなる兆候が現れ、大規模な飢餓の恐怖が持ち上がった。Bella Huang氏とAmy Qin氏がニューヨーク・タイムズで次のように報告している。
《中国当局は、過剰な消費を助長しているとして、爆食を配信する動画投稿者を非難している。ある学校では、毎日の食べ残しが一定額を超えた場合、奨学金の申請を禁じるとしている。あるレストランは、注文しすぎないように、客用の電子体重計を設置した。
習近平国家主席は、食糧の「衝撃的で苦痛な」浪費との戦いを宣言し、国は対応を急いでいる。(中略)
習氏は先週、人民日報が伝えた指示の中で、「無駄を恥じ、倹約が賞賛される社会環境を育てる」と述べた。習氏の指令は、アメリカなど他国との緊張が高まる中で自立の重要性を強調する一連のメッセージの一つである。懸念されているのは、世界的な地政学的混乱、トランプ政権とのコロナ問題と貿易の緊張、そして、最悪の洪水によって引き起こされた輸入の混乱が食糧不足につながることだ。》
昨年、アフリカから広がった豚インフルエンザによって、中国は3億5000万頭の豚を殺処分しなければならず、食肉の供給に深刻な影響が及んだ。それは今年の食糧不足の序章のようなものだった。ブルームバーグの記事。
《多くの専門家や農業関係者は、中国は食糧不足に備えて輸入依存度を下げようとしていると考えている。中国農業農村部にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
外交摩擦が一部の食品の貿易に影響しており、今年初めには、コロナ問題への懸念から、各国政府が輸出を制限して国内供給を優先したため中国向けの輸出も減少した。中国は、国民の食生活を支えるタンパク質を輸入に大きく依存しており、共産党指導部は、経済発展と個人の豊かさを一党支配の原動力にしてきただけに不安は大きい。》
毛沢東が共産主義革命を成し遂げたのは、庶民の食生活がひどい状況だったからだ。飢餓は20世紀の中国の中心的課題だった。そして毛沢東は結果的に、「大躍進政策」や「文化大革命」で何百万人もの犠牲者を出すことになった。
その後、中国は世界経済に復帰し、都市部を中心に急速に豊かになった。国民は外国の生活様式や生活レベルを知るようになり、政府への期待はさらに高まっていった。