佐賀県佐賀市に「みずがいえ」という複合施設がある。薬局、コンビニ、温浴施設、学生シェアハウス、高齢者向け賃貸マンションなどが入るその施設には「まちなかライブラリー鎌田文庫」がある。同施設で健康指導も行っている、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師にちなんで名付けられたその小さな図書館には、鎌田医師が推薦する様々な本や絵本が並んでいる。今回は、その図書館の書棚にも並んでいる、鎌田医師の「ほっとけない作家ベスト10」を同氏が自ら紹介する。
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今年3月、佐賀市に「まちなかライブラリー鎌田文庫」がオープンした。佐賀県で薬局などを展開する株式会社ミズが作った複合施設「みずがいえ」の2階にある。この施設には、高齢者の賃貸マンションや美容室や銭湯、コンビニ、薬局などがあり、高齢者だけでなく、町の人も自由にふらりと立ち寄ることができる。
たくさんの方の支援により、蔵書は約1万冊、絵本は約2000冊を揃えている。ぼくの絵本『雪とパイナップル』『アハメドくんのいのちのリレー』の絵も飾られている。
3月のオープンのときには、ベビーカーを押した親子連れが来ていた。本のある空間で、高齢者から子どもまでいろんな世代が交流できればいいなと思っている。
鎌田文庫には、ぼくの人生を変えた本やおすすめの絵本なども並べてある。実際に読み親しんだ本も寄贈した。マーカーを引いたり、印をつけたりした、ぼくの読書の痕跡も見てもらうことができる。
コロナ禍のステイホームで、はまっている遊びがある。自分の好きなものベスト10を選ぶという遊びだ。前回、この連載で好きな映画音楽ベスト10について書いたが、今回は、ほっとけない作家ベスト10というのを考えてみた。