人気俳優の渡哲也さんが8月10日、肺炎で都内の病院で亡くなった。享年78だった。そんな渡さんと55年間寄り添ったのが、妻の俊子さんだ。夫婦二人の出会いからその関係性を振り返る。
渡さんと俊子さんの出会いは、学生時代にさかのぼる。芸能関係者はこう言う。
「大学2年生のときです。渡さんが俊子さんの両親に挨拶したのは、渡さんが俳優になるなんて誰も思いもしなかった時期のこと。俊子さんとしても、渡瀬道彦(本名)との恋愛が、スター・渡哲也を支える人生に連なるとは、想像もしなかったでしょう。女優と浮名を流すこともあった渡さんに対し、俊子さんはジッと耐え忍んできました。気苦労は計り知れません」
結婚後も、夫唱婦随の夫婦だったとは渡さんの知人男性。
「渡さんはとにかく亭主関白。家の中での渡さんは座ると動かない。俊子さんにすべてを頼むんですよ。あるとき、友人の地井武男さん(享年70)が自宅に遊びに来て、数時間席を外してから戻ってきても、渡さんは同じ姿勢のままだったと驚いていました」
渡さんが2015年に心筋梗塞を患い、老いが目に見えて進んでからもふたりの関係は変わらなかった。
「渡さんが“おい”と呼べば、“はい”と駆けつける。心筋梗塞で倒れてからも、自宅に人を招いていましたが、俊子さんはお茶とケーキを出すと、すっと姿を消してしまう。“渡哲也”としての会話に入り込もうとしたことはありません」(前出・知人男性)
意外だが、そんな俊子さんを渡さんは頼りにしていた面もあるという。
「会見や取材で何を話そうか迷ったときには、俊子さんに電話をかけて相談していたこともありました。決して前には出ないけれど、持ち前の明るい性格で、家庭を常に前へと引っ張っていた存在でしたね」(前出・知人男性)