連続総理在任が歴代最長となった安倍晋三総理が辞任をすることを発表したが、いつの時代も政権にとって、トップシークレットといえるのが“健康問題”。病と闘った歴代首相たちは何を語り、いかにしてその身を処したのか。その病状や辞任劇を紹介しよう。
●鳩山一郎(享年76)
1951年に脳いっ血で倒れるなど体調が心配されたが、1954年に首相就任。翌年結党された自民党の初代総裁となる。1956年には車イス姿でソ連との交渉に臨み、10月19日「日ソ共同宣言」に調印した。
●石橋湛山(享年88)
1957年1月下旬に肺炎を患い、岸信介を首相臨時代理に指名。政権維持を訴えた側近もいたが、2月23日に退陣。写真はその3日後、自宅で療養する姿。2年後には中国を訪問して周恩来首相と会談するまで回復した。
●池田勇人(享年65)
1964年7月の内閣改造の2か月後に入院。東京五輪の開会式には病棟から向かった。10月25日、辞任を表明。朝日新聞の社説に「きれいな退陣」と書かれ、社会党の河上丈太郎委員長も「敬意を表する」と語った。
●大平正芳(享年70)
1980年4月30日から12日間でアメリカや西ドイツなど5か国を訪問。帰国後、内閣不信任案が可決され総選挙に。5月31日未明に入院。笑顔でベッドに起き上がる写真も公開されたが、6月12日に急逝。その10日後の衆参同日選では自民党が圧勝した。