安倍晋三・首相(65)が8月28日、持病の潰瘍性大腸炎の悪化により、辞意を表明した。任期途中での辞任については「断腸の思い」と会見で述べていたが、安倍首相は同様の理由で2007年にも退陣に追い込まれている。
その後、症状を劇的に改善させたのが長年主治医を務めた日比紀文・元慶応大学医学部教授(現在は北里大学病院炎症性腸疾患先進治療センター長)だった。
首相が再登板してからは、そうした医官と、持病の治療にあたってきた日比教授が指導する慶応病院のスタッフを中心に医療チームが組まれている。日比教授が2013年に慶応を定年退職して北里大学に移った後は、慶応病院の医師団が主治医の役割を引き継いだが、日比教授自身も公邸や私邸に“往診”することがあるといわれる。
おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎院長は、「潰瘍性大腸炎は医学的な完治は難しく、治療は症状をどれだけ安定させるかが中心になる。そのためにはきめ細かい健康管理が重要で、ストレスが大敵です」と見る。
安倍首相のストレス解消法は「1に外遊、2が宴席」と言われる。ストレスがたまると、外遊で発散するのが“体調管理の一環”だった。
ところが今年は新型コロナの拡大で1月に中東諸国を訪問したのを最後に外遊できなくなった。しかも、国会では桜を見る会の「前夜祭」をめぐって首相自身が追及の矢面に立たされた。
実はその頃、首相が体調悪化で倒れたという極秘情報がある。自民党役員が語る。
「今年2月にある新年会に出席したとき、総理は挨拶した後、体調不良でトイレに行き、嘔吐して倒れた。それですぐに公邸に戻ったそうだ。倒れたのは吐血情報が報じられた7月6日だけじゃない」