一方で、バズる秘訣は味だけではない。
「レシピを読んでいるときは、まだその料理を味わっていない。だから、食べる前からおいしさを想像できなければいけないんです」(リュウジさん・以下同)
数年前、ツイッターのフォロワー数が1万人を超えたリュウジさんに、レシピ本の出版話が舞い込んだ。ただし、その条件として、出版社から「フォロワーを10万人に増やしてください」と頼まれたという。
「自分の考えるレシピがおいしいという自信はありました。でも、発信力が足りないと言われた。それがくやしくて、おいしくてバズるレシピを追求するようになりました」
リュウジさんが目をつけたのは、「伝え方」だった。レシピを読むだけで、「どんな味なんだろう」「きっとおいしいんだろうな」「食べてみたいな」と想像させるために、流行語やネットスラングなどの“刺さる言葉”を徹底的に研究して、バズるワードをちりばめてレシピを発信するようにした。
「時事ネタを取り入れることも大切。つい先日もツイッター上で“ポテトサラダは簡単か、簡単でないか論争”が繰り広げられていたので、そこに乗っかって、ポテトサラダのレシピを投稿しました」
《「ポテトサラダぐらい作ったらどうだ」という人に「お前が作れ」と叩きつける用にどうぞ》
リュウジさんのレシピには、《白米が狂ったように食べられる》《邪道にして至高》《酒特化型》といった刺さるワードが満載だ。いまやリュウジさんはバズり飯の第一人者となり、『リュウジ式 悪魔のレシピ』(ライツ社)、『やみつきバズレシピ』(扶桑社)など、レシピ本を何冊も出版している。
※女性セブン2020年9月17日号