いま、渋谷の街が大きな進化をとげている。2027年にそのすべてが完成するというからまだまだ変貌の途中だが、「100年に一度」といわれる再開発で、街の姿は一変。若者文化発信の地に、“オトナも楽しめる”ランドマークも続々誕生。そういった姿を、渋谷にゆかりのある人物はどう見ているのか? 4人の著名人に渋谷について語ってもらった。
■隈研吾さん(66才)
これまで20か国を超える国で建物を設計し、多数の賞を受賞。「国立競技場」や「渋谷スクランブルスクエア」のデザインに参画するなど、渋谷を始めとした東京の街づくりにかかわる。
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横浜に生まれた僕にとって、渋谷は小学生の頃から遊び場でした。青春時代を過ごした場所であり、自分の美学を育ててくれた場所でもあります。思い入れがある街なので、渋谷スクランブルスクエアのデザインに関われることが決まったときは、心が躍りましたね。
渋谷の魅力は、和洋・新旧の文化が交じり合い、巻き起こす渦です。そのダイナミックさを造形にしようと考え、知恵を絞り、ビルの足元が抉れて見えるなど20世紀的な超高層ビルにはないデザインを追求しています。
線路を動かすなど、これほど思い切った街の再開発は世界的に見ても例がなく、奇跡的でしょう。新しいものを詰め込んでいるので、少し経って街に味が出てくるのが楽しみですね。街づくりにゴールはありません。“完結しない”都市・渋谷はますます魅力的な街になりますよ。
■長谷部健さん(48才)
渋谷区神宮前に生まれ、神宮前小学校、原宿中学校(現・原宿外苑中学校)が母校。2003年に渋谷区議会選挙で初当選し、3期務めた後、2015年から現職。
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「原宿に住んでいる」と言うと、いつも周囲から「いいな」とうらやましがられました。そのことがうれしくて、自然と“シティプライド(郷土愛)”が醸成され、いまの仕事につながったように思います。
渋谷の街はさまざまな人々が交わって生まれる“ストリートカルチャー”を育ててきました。この多様性こそが、街の原動力になっていたと思うのです。
現在、新型コロナウイルスにより渋谷の街も厳しい状況にありますが、渋谷の街にはwithコロナ、afterコロナといった中でも新たな価値観やカルチャーを創り出すちからがあると信じています。性別や世代、国籍を超えて活躍できるチャンスがある“成熟した国際都市”を目指して、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を実現していきます。