“若大将”があわやの事態に見舞われた。8月29日夜、加山雄三(83)は自宅で水分補給のために水を飲んだ直後、激しくむせかえって嘔吐を繰り返し、妻が119番。都内の病院に救急搬送され、そのまま入院した。
加山を襲ったのは、食べ物や飲み物が気管に入り込む「誤嚥」だった。
事務所は9月2日、咳き込んだ際に軽度の小脳出血を起こしていたことを報告。現在、症状は安定し、会話もできる状況だとしており、〈トレーニングしたあとの水がうまくてさ、がぶ飲みしちゃったんだよな。年相応の飲み方をしなきゃね…〉という加山のコメントも合わせて発表された。
深酒するとむせる
誤嚥に詳しい西山耳鼻咽喉科医院理事長の西山耕一郎医師が語る。
「誤嚥は、年齢とともに喉の嚥下(物を飲み込む)機能が衰えることで起こります。この時、食べ物や飲み物と一緒に口腔内の雑菌が肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすこともある。
加山さんはむせるだけでなく嘔吐を繰り返したそうですが、誤嚥した時に気管から異物を吐き出そうとして嘔吐することは珍しくなく、この際、吐瀉物が肺に入ることで窒息のリスクも高まります。加山さんのように脳出血に至るケースは稀ですが、脳に強い圧力を受けるほどむせかえったということでしょう」
東京消防庁の統計によれば、2018年の1年間で8436人が誤嚥や誤飲など「のどの詰まり」で救急搬送されている。
「現在、高齢者(65歳以上)の死因の第4位は肺炎で、うち7割が誤嚥性肺炎と言われています」