ママ友同士のコミュニケーションにLINEを活用している人も多いだろう。しかし、そこには“LINEいじめ”という闇が潜んでいる。リアルでのすれ違いがSNSで加速し、社会を騒然とさせる事件に発展するケースもあった。
5年前に起きた事件では、LINEいじめを苦にして立て続けに2人の母親が自殺している――。
栃木県の佐野市にある児童数70人ほどの小さな小学校に子供を通わせる母親2人が、相次いで自殺したのは2015年4月のことだった。1人は自宅で首を吊り、小4の愛娘に発見された。
親しかったママ友は葬儀で、その娘を「代わりに守ってあげるからね」と弔辞を述べたが、今度はそのママ友が約1週間後に首を吊って後を追った。
背景には、子供たちへのいじめがあった。
「2人の母親の子供は、所持品を隠されるなどのいじめを受け、不登校になりました。看過できないと、2人の母親はいじめていた児童の母親に『やめてほしい』と改善を促していたところ、ママ友たちの間で孤立するようになったのです。
面と向かって『母親失格』『育て方が悪い』などと言われるほか、ママ友のLINEグループで、5人のママ友から2人の母親が執拗に攻撃されるようになったんです。市の教育委員会もLINE上での陰口の存在を確認していました」(学校関係者)
このような、誰も幸せにならない悲しい事件があったのにもかかわらず、全国の子を持つ母親のスマホの中は、今日も憎しみと悲しみが幾重にも重なっている。
娘をバレエ教室に通わせる40代の主婦・A子さんは、LINEグループで針のむしろを味わっている最中だ。