ライフ

羽田空港での写真教室に密着 少年のように目を輝かす高齢者

空港で真剣な表情で撮影を行う

 スマホの普及によって、より身近になった写真。高齢者の間でも、趣味としての写真撮影が注目されるようになり、SNSに写真を投稿するシニア層も増えている。

 そこで、NPO法人フォトカルチャー倶楽部が開催する『写真教室』を取材。講師の早川幸夫さんと参加者の永友亨さん82才に、密着させていただいた。

 通常は初心者から経験者まで毎回10~20名が集まり、撮影を楽しむこの『写真教室』。今回は、猛暑とコロナ自粛の中、万全の感染対策のもと羽田空港で開催された。

 永友さんは、本格的に写真を始めて5年目だ。

「ひとりの撮影はつい億劫になるけれど、先生や仲間がいると、俄然やる気が出る。写真教室は自分では行かないような場所で開催されるのも魅力です」(永友さん)

 この日の写真教室のテーマは“流し撮り”。背景は流れるように、機体にはしっかりピントが合い飛行機のスピード感を演出する。飛行機に合わせてカメラを動かしながら撮る。

「カメラを持った腕はブレないよう固定し、腰を回すんですよ」と実演しながら丁寧に教える早川さん。撮影は体幹と筋肉の鍛錬にもなるのだ。

「空港にはみんなが感じる旅情や高揚感があちこちに。その空気が伝わる写真が撮れるといいですね」(早川さん)

 いろいろなデザインの飛行機、滑走路の直線、デッキで見送る人、ロビーの造形美、構図を考えるのも楽しくなる。ちなみに写真愛好家には男性が多いが、長年化粧やファッションに親しんだ女性の方が、断然構図のセンスがいいという。70才から写真を始めたという女性も、この写真教室でメキメキ上達中だ。

 逆に機内の操縦士と滑走路の整備士が手を振り合う姿にドラマを感じ、望遠レンズで捉えるのは男性。普通は見られないシーンを写せるのも写真の魅力だと早川さんは語る。

 飛行機の離着陸のたびにうれしそうにカメラで追いかけるほかの参加者たちも、まるで少年のように目を輝かせていた。

■撮影/菅井淳子

※女性セブン2020年9月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン