総裁選で向かうところ敵なしの菅義偉氏だが“大の苦手”が小池百合子・東京都知事だ。新型コロナの感染が再び拡大する中、2人は激しい舌戦を繰り広げてきた。
そもそも2人の因縁の始まりについては知られざるエピソードがある。菅氏と小池氏は第1次安倍内閣でそれぞれ総務相、防衛相を務めたが、2012年の自民党総裁選では立場が分かれ、菅氏は安倍晋三氏、小池氏は石破茂氏を担いだ。
その後、政権に返り咲いた安倍首相は、内閣改造にあたって女性大臣候補不足に悩み、小池氏を“面接”した。菅氏もその場に同席したという。以下は安倍側近の証言だ。
「安倍さんは小池が石破陣営に走ったことを水に流して大臣起用を考えていた。しかし、菅さんが『小池は信用できない。寝首をかかれますよ』と強硬に反対して止めた」
その後も菅氏は、人事で小池氏を内閣や党役員ポストから干しあげ、小池氏も「あまり接点がなかった」という菅氏を“仇敵”と見るようになる。
その菅氏が首相になれば、2人の争いが過熱することは間違いない。火種はいくつもある。政府は9月中に専門家の意見を聞きGo To キャンペーンの東京除外を見直す方針だが、感染状況次第では小池氏が噛みつくのは間違いない。