150kmを超える“火の玉ストレート”で通算245セーブをあげた阪神のストッパー・藤川球児(40)が今季限りでの引退を表明した。名球会入りの条件である250セーブまで残り5セーブに迫っているだけに、残り試合での記録達成なるか、注目が集まっている。
しかし、残り5セーブの壁は高い。藤川は引退理由について「1年間、体の準備が整わなければプロとして失格」とコンディション不良を明かし、谷本修・球団副社長が「体が悲鳴を上げている」「手術が必要なレベル」と言及している。
記録達成のために藤川を起用するべきか、チームの勝利を最優先として万全の投手を起用すべきか──賛否両論分かれる難題について、阪神OBに意見を求めた。
1982~84年まで阪神監督を務めた安藤統男氏(81)が語る。
「功労者だからね、矢野(燿大)監督もできれば達成させてやりたいと思っているでしょう。ただ、阪神は残り試合で、首位の巨人を追い詰めるチャンスがまだまだある。そこで登板させるかどうかは、本人のコンディション次第です。優勝争いのカギとなる試合でも、矢野監督が藤川を戦力と判断し、本人が投げたいというのなら投げさせればいい。周囲がいくら記録がどうだと言っても、満足に投げられなければダメだからね。
藤川にもプライドがある。消化試合で記録のためだけに投げるというのは、プライドが許さないかも知れない。でも残り2か月で調整して、本人が最後まで投げたいというのなら、悔いの残らないように頑張ってほしい」
元阪神で、藤川と同じ高知商業の33学年先輩にあたる野球評論家・江本孟紀氏(73)も「あくまでも本人の意思」と持論を語った。