米国防総省は8月中旬、未確認飛行物体(UFO)を探査、分析するためのタスクフォース(特別チーム)を新設すると発表したが、これは地球外からの宇宙人の侵入の調査のほか、中国やロシアなどの空域からのスパイ活動に関する情報収集もタスクフォースの需要な任務の一つであることが明らかになった。
中国は米軍が活動する南シナ海や太平洋、あるいは沖縄県尖閣諸島を含む東シナ海などでドローンなどの無人機を飛行させるなど、米軍の活動に関してスパイ活動をしていることを踏まえての任務とみられる。AFP通信が報じた。
国防総省は4月、海軍が撮影した「謎の空中現象」として、UFOのような物体の飛行が記録された3種類の映像を公開。──これらの映像は日本でも大きな関心を呼び、日本の河野太郎防衛相も「万が一、遭遇した時の手順をしっかり定めたい」と述べ、防衛省と自衛隊も対応の準備を進めることを明らかにしている。
米軍ではパイロットらがこうした現象を目撃した場合の報告手順を定め、情報収集を続けており、今後、態勢を拡充して目撃情報の分析などを進めるとみられる。
さらに、このタスクフォースは、海軍が中心となり「安全保障への脅威となり得る、未確認の空中現象への理解を深めることが使命」だとしているが、その具体的な活動内容は明らかにされていないのが実情だ。
同省のスー・ゴフ報道官は8月の記者会見で、「米軍は直ちに正体が確認できない空中現象を含め、空域へのいかなる侵入も深刻に捉え、調査を行う」と述べたのに加えて、「タスクフォースの主要な任務は偵察、分析、各種の米国の国家安全に脅威を与える不明な空中現象だ」とも強調している。