喉に詰まる、むせ込む、といえば食事中の“固形物”というイメージが強いが、最も危ないのは食べ物ではなく飲み物、なかでも「水」だという。とくに冷たい水をペットボトルからラッパ飲みするのは危険で、上を向いて水を一気に飲もうとすると嚥下処理能力を超え、気管に入りやすくなるのだという。
危険な場面を避ける努力だけでなく、日常生活のなかで「誤嚥を防ぐ習慣」を身につけておくことも大切だ。誤嚥に詳しい西山耳鼻咽喉科医院理事長の西山耕一郎医師は「カラオケ」を勧める。
「誤嚥予防に最も効果的なのは、喉を鍛えること。歌を歌う際に使う筋肉は、嚥下と同じ咽頭挙上筋群なので、カラオケがピッタリなのです。
その際、選曲も重要で、音域に高低差がある楽曲がいい。喉に手をあてながら声を出すとわかりますが、喉仏は高い声を出すと上がり、低い声を出すと下がる。
この喉仏の上下運動をしっかり行なうためにも、高音と低音をどちらも適度に含む曲が効果的です。加山雄三さんの代表曲『君といつまでも』もいいと思います」