芸能

朝ドラ再開で注目、『あさイチ』『チコちゃん』再浮上なるか

『エール』再開で『チコちゃん』はどうなる?

 長らく再放送が続いていた連続テレビ小説『エール』(NHK)が放送再開されるが、それに伴う注目点がもう1つある。『エール』放送直後に放送されている『あさイチ』(月~金曜)、『チコちゃんに叱られる!』(土曜)の世帯視聴率の行方だ。下がっていた視聴率は回復するのか。民放の裏番組の動向とともに、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 14日、約2か月半ぶりに朝ドラ『エール』の放送が再開します。ネット上には、喜びや期待から、戦時中のシーンが迫っていることへの不安、当初の予定より2週分放送が短くなったことへの嘆きまで、さまざまな声があがっていますが、再開に伴う焦点はそれだけではありません。

 約2か月半、『エール』の放送が中断し、第1話から再放送されている間に下がっていた『あさイチ』『チコちゃんに叱られる!』の世帯視聴率が回復するのか? それともこのままジリジリとさらに下がっていくのか? テレビ業界内で密かに注目が集まっているのです。

『エール』が再放送に入る前、『あさイチ』の世帯視聴率は10%台をキープしつつ、13%台を獲得することもありました。しかし、再放送がはじまった6月29日は9.0%に下がり、8月6日には広島平和記念式典で放送時刻がズレたとはいえ5.9%までダウン。その後も6~8%台を記録するなど、時間帯1位を争っていた『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に大きく遅れを取ってしまいました。

 土曜朝に再放送されている『チコちゃんに叱られる!』も、『エール』の再放送に入る前の12~13%台から10~11%台にダウン。「ほとんど下がってないのでは?」と思うかもしれませんが、朝ドラは今春から土曜の放送分は一週間の総集編を放送しているため、言わば「再放送(総集編)から、別の形の再放送に変わっただけ」であるにもかかわらず、世帯視聴率が下がってしまったのです。

『あさイチ』の穏やかなムードは貴重

 両番組が放送されている時間帯は、民放各局が情報番組でしのぎを削る激戦区。各局のテレビマンに話を聞いたところ、やはり朝ドラの再開には注目しているようでした。

 民放の情報番組関係者に話を聞いて、まずはっきりとした傾向が見られたのは、6人中5人が「『あさイチ』はすぐに回復する」と予想していること。『エール』の再放送中も番組内容はいい意味で変わらず、もともと民放各局がワイドショー形式の情報番組で競い合う中、生活情報中心の構成で差別化できているだけに、「再浮上しない理由は見当たらない」という見方だったのです。

 また、MCたちによる恒例の“朝ドラ受け”への期待感は大きいだけに、『エール』の再開が視聴率回復をうながすことにつながるでしょう。民放各局の情報番組は、コロナ禍の長期化で重苦しいムードが続いているため、『あさイチ』の穏やかで明るいイメージは、むしろ秋以降、強みとなる可能性は十分ありそうです。

一方、『チコちゃんに叱られる!』に関しては、土曜朝の再放送が10%台後半の高水準を記録していた時期もありましたが、昨秋には10%台前半に留まっていました。加えて今春、「朝ドラの土曜放送が総集編(再放送)になった」ことで再び下がりはじめ、「コロナ禍による撮影中断で第1話からの再放送がスタート」した7月以降はさらに下がっているという背景があります。

 そのため、前述した民放の情報番組関係者6人全員が、「番組のパワーがかつてほどはなく、ジワジワと下がっているのではないか」とみていました。「むしろこれまでが盛り上がり過ぎていただけで、現在の数字くらいが普通」「視聴率が下がっても変えずに続けることが大切な番組」という見方もあるものの、再浮上を狙うのであればテコ入れ策が求められる時期なのかもしれません。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン