今年4月、緊急事態宣言が発令され、多くの飲食店は休業を強いられ、大きな打撃を受けた。それは、飲食店だけでなく、食材を卸す企業も同様である。
飲食業界向けに野菜卸売を行う会社「フードサプライ」は。卸先の約5000店舗のうち8割以上が休業し、4月の売り上げは例年の2割ほどとなってしまった。しかし、そんな状況とは関係なく野菜は育つ。契約農家からは野菜が腐っていると悲痛の声が届き、板挟みになったという。
「農家の野菜を世の中に届けることが先決だと考えました」(同社代表取締役・竹川敦史さん・以下同)
そんなとき、スーパーマーケットの特需を知った。会社はリモートになり、学校は休校。家族全員が3食を家で食べることになったからだ。ただ、買い物はしたいけれど、混んでいる店には行きたくないし、いろいろな人が触った野菜を買うのもイヤという消費者の声が気になった。
さらに、ファストフード店のドライブスルーが混雑しているというニュースも見て、ドライブスルーで人に接触することなく食材を購入してもらう方法をひらめいた。
「野菜を売るだけなら通販でもいい。でも、ドライブがてら買い物をしてもらったら、気分転換になるのではないかと考えたんです」
竹川さんの読みは大当たり。当初は東京と千葉の2拠点で行われていたが、多いときで26拠点になり、1か月の売り上げも最高1億5000万円に。8月には、契約農家から仕入れた野菜や果物を消費者に直送する「センチョク」も立ち上げた。
●ドライブスルーでの野菜販売
【9月開催日と開催場所】
土曜…北海道札幌市、北海道帯広市、宮城県仙台市、千葉県野田市、東京都大田区、山梨県甲府市
火・木・土曜…神奈川県横浜市
(詳細は公式サイトでご確認を)
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号