庶民派を売りにする菅義偉・首相だが、資産面では、いまや政界有数のセレブ政治家と見るべきだ。その富はどのように築き上げられたのか。ルーツは横浜市議時代にあった。
政治にはカネがかかる。資産家の世襲議員と違って、収入が議員歳費だけの叩き上げ政治家の中には、事務所の費用を賄うために自分の歳費を資金管理団体に貸し付けているケースも珍しくない。
菅氏と同じ当選8回の自民党有力政治家の資産公開を見ると、高市早苗・前総務大臣の資産は相続した奈良市内の自宅(土地約158平米、建物約47平米)のみで、定期預金や有価証券(金銭信託など)などほかの資産はゼロ。下村博文・政調会長は約3300万円の定期預金と東京・板橋区に約81平米のマンションを所有しているが、資産価値(固定資産税課税標準額)は菅氏のタワマンの3分の1だ。
一方、菅氏の自宅は横浜駅から徒歩数分のウォーターフロントに建つタワーマンション。広さ約100平米の、「時価1億5000万円は下らない」(地元の不動産業者)という億ションだ。
閣僚の資産公開によると、このタワマンの他、4427万円の金銭信託、ゴルフ会員権(相場は約450万円)を所有。
資産公開では現金や普通預金の金額は非公表とされているが、タワマンと金銭信託、ゴルフ会員権だけで時価2億円にのぼる資産だ。
政治キャリアが近い叩き上げ政治家の中で菅氏の蓄財は飛び抜けている。その秘密は、「集金力」にある。菅氏は若手議員時代から政治資金の集金力が高かった。