2018年に熊本県民テレビを退社するまで21年間、視聴率20%超の夕方情報ワイド番組『テレビタミン』でキャスターを務めた村上美香アナ。タウン誌のローカルアナ投票で優勝したこともあるレジェンドが思い出を振り返る。
* * *
入社2年目まではアナウンサーというより、記者でありADでありと、様々な仕事をしていました。
入社3年目の時に『本橋馨の情報わいど テレビタミン』が始まって私がキャスターとして起用されました。ですが、スタッフ表を見ると私の名前は鉛筆で殴り書きで「村上」と書き足されていたので、期待されて大抜擢というワケではなかったようです(笑い)。
当時は全国的な女子アナブームでしたが、私は「横に座ってニッコリ」という立ち回りはしたくなかった。幸い本橋さんはすごくバランスの良い方で、視聴者のほとんどが主婦層というのを見越して私に意見を求めてくださったので非常にやりがいを感じていました。
この番組が皆様に愛されたきっかけは熊本県内の全市町村のひとつの村や町にそれぞれ1人の“テレビタ特派員”を立てたことです。ビデオや電話で中継して地域のお祭りやニュース、面白いおばちゃんやなんかを取りあげたんですよね。今思うと『ナニコレ珍百景』(テレビ朝日系)の走りといった感じでしょうか。
またほのぼのした情報だけでなく、まだネットがなかった時代に「○○川が氾濫しています」とお爺ちゃんが電話中継してくれたことで災害情報としての役割を担ったこともありました。そうして視聴者との距離も縮まり、視聴率20%を超えるような番組に成長していきました。