芸能

コロナ禍の今、杉良太郎の言葉に注目が集まるワケ

福祉活動が評価され、厚生労働大臣顕彰状を授与された杉良太郎

 国内外でさまざまな福祉活動などに積極的に取り組んでいる俳優で歌手の杉良太郎(76才)。8月には長年に渡る福祉活動が評価され、厚生労働大臣顕彰状を授与された。今改めて注目を集める杉の活動について、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
 
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 世界中が不穏な空気に包まれて息苦しい昨今。こんな時こそ、この人の意見が聴きたい!ということで、時代劇専門チャンネルが企画した『杉良太郎祭り』。私はそのスペシャルインタビューを担当したが、その会場には取材陣がぎっしり。関心の高さがよくわかった。

 なぜ、今、杉良太郎の発言に注目が集まるのか。その理由のひとつは「ブレない強さ」があることだろう。なんたって、『燃える男』『君は人のために死ねるか』など強烈なタイトルの楽曲を歌い続けてきた人である。今年は警視庁の「ストップ・オレオレ詐欺47~家族の絆作戦」のプロジェクトチームの中心となって、存在感を示している。

 歌手を目指して芸能界入りし、1967年に松本清張原作のNHK時代劇『文五捕物絵図』に主演。60年以上国内外でさまざまな福祉、支援活動に携わっていることは有名な話だ。ベトナムでの活動も30年を超え、現在、152人もの里子がいるという。取材の中で、「病気がちの子もいて、心配で…」と語る姿に、思わず「お父さん!」と声をかけたくなった。国内の被災地にも駆け付け、多くの人たちに声をかけるが、その言葉は「頑張らないでください。頑張るのは私たちですからね」である。

「不可能を可能にしてきた」ことも注目される理由のひとつ。これまでに1400本もの時代劇に主演。『大江戸捜査網』『一心太助』『新五捕物帳』『右門捕物帖』など、京都と東京で時代劇の主役を掛け持ちする日々が、実に17年間続いた。週のうち、3日は東京で移動日一日はさんで3日は京都。通常、週に一本ペースで撮るところを四本撮り終えるという驚異の「四倍撮り」も実現した。そのため、テストはなく、すぐ本番、セットの入れ替えやロケを少なくするなどの工夫を重ねた。誰もが不可能だと思うことでも、自ら先頭に立ってやりきった。

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