9月29日の初のテレビ討論会から、いよいよアメリカ大統領選挙は最後の戦いに突入する。バイデン氏有利とされるなか、トランプ氏は逆転を狙って奇手奇策を繰り出すだろう。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が最新情勢をリポートする。
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最新の激戦12州の情勢である。激戦区を制す者は大統領選を制す、が黄金ルールだ。前回の大統領選で、トランプ氏がそれを証明している。有権者の投票数では、トランプ氏は民主党のヒラリー・クリントン氏に300万票も後れを取っていたが、大統領になれたのである。
フロリダ州:48.6対47.0(バイデン対トランプ。以下同)
ペンシルベニア州:48.7対44.7
ミシガン州:47.8対43.0
ウィスコンシン州:50.1対43.4
ノースカロライナ州:47.5対46.6
アリゾナ州:49.2対44.2
ジョージア州:45.4対46.4
オハイオ州:46.7対44.3
ニューハンプシャー州:48.0対42.5
アイオワ州:46.3対47.7
ネバダ州:46.5対40.5
テキサス州:45.0対47.3
ここに挙げた州以外は、ほぼ決着がついている。そして、まだ勝敗はわからない。激戦州でトランプ氏がリードしているのはジョージアとアイオワ、テキサスしかないが、それでもまだバイデン当確とはならない。最後の決着をつけるのはフロリダとペンシルベニアの2州と見られている。本選挙で投票する選挙人の数が29人、20人と多く、この両州を総取りできればトランプ逆転も十分可能だからである。
このうちペンシルベニアは、やはりバイデン氏が有利。上院議員としての選挙区は隣接するデラウェア州だが、出身はペンシルベニアである。地元での長い関係がものをいうと見る専門家が多い。もうひとつのフロリダは、トランプ氏が別荘を構え、地の利を持つともいえるが、有権者の構成が戦いを複雑にしている。フロリダには高齢者とヒスパニックが多く、高齢者たちは、トランプ氏の「老いたバイデン」「認知症のバイデン」という罵詈雑言にうんざりしているのである。ヒスパニックは伝統的に民主党支持が多い。それでも大接戦なので、やはりトランプ氏もここでは強い。激戦州でも特に選挙人数の多いフロリダを取れば、トランプ氏はまだ首の皮がつながる。