芸能

『半沢』を録画視聴にさせる狙い?生放送番組が急増の背景

最終回に注目が集まる『半沢直樹』

 コロナ禍で、テレビ番組も感染対策をしながら制作され、以前と同じような形で放送されるケースが増えてきた。そんななかでこの9月、顕著に増えているのが生放送の番組だ。その背景を探ってみると、あの絶好調ドラマ対策という一面も見えてきた。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 この1か月あまり、明らかに生放送の番組が増えています。下記に今月放送された主な生放送番組を挙げていきましょう。

 6日の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)は、「訳あって生放送!スペシャルMCにあの大物が登場!」と題してふだんとは異なる形で生放送。さらに同日の同じ時間帯には『生放送!!半沢直樹の恩返し』(TBS系)が緊急生放送されました。

 12日には8時間生放送の音楽特番『THE MUSIC DAY 人はなぜ歌うのか?』(日本テレビ系)、16日には2時間生放送のお笑い特番『歌ネタ王決定戦2020』(MBS、TBS系)。

 20日には2時間生放送のドッキリ特番『うわっ!ダマされた大賞2020』(日本テレビ系)と、2時間生放送のニュースバラエティ特番『池上彰スペシャル』(フジテレビ系)。

 21日には3時間生放送のバラエティ特番『キスマイ10周年でやれるかな? テレビ朝日人気番組の裏側に潜入しちゃった ほぼ3時間SP』(テレビ朝日系)と、4時間生放送の音楽特番『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)。23日には3時間生放送のクイズ特番『東大王vs全国の視聴者 生放送3時間SP』(TBS系)。

 また、26日に8時間生放送のお笑い特番『お笑いの日』(TBS系)、27日に2時間生放送の格闘技特番『RIZIN24』(フジテレビ系)、30日に4時間半生放送の音楽特番『テレ東音楽祭2020秋』(テレビ東京系)が予定されています。

『半沢直樹』を録画視聴にさせたい

 新型コロナウイルスの感染予防対策による制約がある中、スタッフの人数や労力がより必要な生放送番組が増えている理由は、主に下記の2つが考えられます。

 1つ目の理由は、『半沢直樹』対策。全話の世帯視聴率が20%を超える国民的ドラマの放送によって、各局のテレビマンは緊急対策を余儀なくされています。

 心の中では「勝てるわけがない」と思いながらも、何らかの策を講じなければいけないのが彼らの立場。その最善策として考えられたのが生放送だったのです。

 6日の『行列のできる法律相談所』は、明石家さんまさんをMCに迎えつつ、新婚ホヤホヤの丸山桂里奈・本並健治夫妻が登場して生ドッキリを敢行。さらに、さんまさんと縁のある剛力彩芽さんをゲスト出演させて、生のやり取りを見せることで盛り上げました。

 20日の『うわっ!ダマされた大賞2020』は、20回目にして初めての生放送に挑み、『池上彰スペシャル』もあえて緊急生放送を選択。27日の『RIZIN24』も「生放送の強みがはっきり表れるスポーツコンテンツを仕掛けよう」という戦略が見えます。

 通常放送の魅力に、「何が起きるかわからない」「ハプニングの可能性がある」という生放送の強みを加えることでリアルタイム視聴を狙い、「『半沢直樹』を録画視聴に回してもらおう」としているのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
江口容疑者と自宅
《16歳女子高生の遺体を隠し…》「6人家族だけど、共働きのご両親が不在がちで…」江口真先容疑者(21)が実家クローゼットに死体を遺棄できた理由
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン