国際情報

最高裁判事候補はゴリゴリ保守でトランプの秘蔵っ子

バレット氏はトランプ大統領と相思相愛(AFP=時事)

 アメリカのトランプ大統領は、焦点となっていた連邦最高裁判事の人事で、人工中絶に反対するなど保守派が歓迎する48歳女性判事を指名する方針を明らかにした。リベラル派の後任に保守派を就けるという強引さに加え、候補となった判事の過去の言動なども物議をかもしている。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 がんで死去したリベラル派のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任に指名されることになったのは、第7巡回区控訴裁判所のエイミー・コニー・バレット判事で、早くから保守派の女性判事ということで予想された候補の一人だった。今後、上院がバレット判事を承認すれば、最高裁は当面、保守派6人、リベラル派3人の構成になる。公平を欠くと国民が反発するのも当然だろう。

 大統領が指名した判事候補は、上院の司法委員会が審査して本会議の採決にかけるかを決定し、本会議で過半数の賛成があれば承認される。司法委員会は3~5日の公聴会を開いて指名候補を審査する。現在、上院(定数100)は共和党が53議席で多数を占めており、そのなかには大統領選前に最高裁判事を決めるべきではないとして承認に反対する議員もいるが、すでに承認に必要な51人の票は固まったとされる。

 最高裁判事は終身制で、仮にトランプ氏がホワイトハウスを去ることになっても、国の重要課題に長く関わることになる。それだけに、リベラル派と保守派のバランスを取るのが不文律であり、トランプ氏のように、4年の任期中に3人も続けて保守派を指名するというのは異例中の異例だ。また、2000年の大統領選挙では、共和党のジョージ・ブッシュ氏と民主党のアル・ゴア氏との戦いが選挙で決着がつかず、最高裁まで争われたこともある。バレット氏が即座に承認されれば、11月3日の大統領選挙の結果についても、6対3の最高裁が審理する可能性がある。世論調査では、6割以上のアメリカ人が「新しい判事は新しい大統領が指名すべき」と答えている。トランプ氏による指名に賛成しているのは2割程度しかいない。国民が何を望んでいるかは明らかだ。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン