新型コロナの感染予防対策で、両国国技館の客席には人がまばらだった大相撲秋場所だが、力士たちの側も“不在”ばかりとなった。2横綱が揃って全休したことに加え、幕内力士の途中休場も相次ぎ、休場力士は約70人。秋場所の休場力士たちは何をしていたのか──。
まず、28人が休場となった玉ノ井部屋。3日目までに24人のコロナ感染が判明した。
「検査で陽性となった力士たちは入院などの措置が取られ、陰性だった力士たちも部屋に隔離されて外出禁止となった」(スポーツ紙デスク)
東京・足立区の部屋の入り口はシャッターが下ろされたままとなった。実は、この玉ノ井部屋以外にもう1部屋、“初日から全員休場”の部屋があった。東京・葛飾区にある鏡山部屋だ。
「所属力士は2人だけ。ひとりは鏡山親方(元関脇・多賀竜)の息子で、もうひとりがモンゴル人力士。いずれも幕下です。この2人が揃って初日から休場していた。幕下以下は診断書が非公開なので、“一体、何があったんだ”と訝しがる関係者も多かった」(同前)
秋場所5日目の9月17日午後、本誌記者が鏡山部屋の近隣を取材すると、ある住民がこう話した。
「そこの部屋の力士だったら、さっきジャージとTシャツ姿で自転車に乗って出かけていったよ」
協会ナンバー3で、コンプライアンス部長や危機管理部長、生活指導部長を兼務する鏡山親方は、コロナ禍における力士・親方衆の行動を厳しく監視する役割を担う。