放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、急逝した女優・竹内結子さん(享年40)について。
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9月27日に亡くなった竹内結子さんほど「代表作」の多い女優さんもいないだろう。それは、見る者の年代や性別によって、それぞれ異なるだろうし、竹内さん自身が年齢を重ねるにつれて、チャーミングな女性からカッコイイ女性へと変化。10代、20代、30代、そして、とても短かった40代と、それぞれの年代で取り組んだ作品内で異彩を放つ女優さんだったことに間違いない。
出演したドラマは40本以上、映画は30本以上、CMは実に240本にも上るそう。今回はそのCMにスポットを当ててみたい。
クリエイターに斬新な考えの人が多くても、クライアントのトップは保守的な人が多いのが広告関係者、長年の悩み。イメージキャラクターには当然のことながら幅広い層に愛される、いわば無難なイメージのタレントが起用されることとなる。
主演女優であり、常にヒロインであり続けた竹内さんは、広告業界でも、そのルックスに加え、抜群の表現力と演技力で、長年“CM女王”の名をほしいままにしてきた。
女性が憧れるファッショニスタ的存在に
CMそのものに加えて、イベントへの登壇も少なくなかったが、そのときのヘアメイクや服装のセンスが毎回抜群で、いつしか女性たちが憧れるファッショニスタという側面も持ち合わせるようになり、一気に女性ファンを増やした竹内さん。出産から復帰した際には、”産後ダイエット”を成功させ、出産前と変わらぬ美貌とスタイルで女性の支持を集めた。
『資生堂』の「プラウディア」(2005年)「TSUBAKI」(2006年)「コラーゲンEX」(2007年)などは、美容ミューズとしての竹内さんに憧れる女性をターゲットにしたものだ。
が、特筆すべきは、竹内さんがシングルマザーになってからのCMである。前述のように保守的な広告担当者。昔なら、バツイチの女性タレントは「イメージが良くない」ということで、少なくとも家庭用商材のCMは舞い込まなかっただろう。
だが、竹内さんは、シングルマザーとなった2008年から『サントリー』「ザ・プレミアムモルツ」のCMを3年間、務めるのである。