芸能人の所属事務所からの退所ラッシュが続いている。事務所の顔となっていたスターの独立・移籍は、金銭面はもとより面子や人間関係のしがらみなども絡むだけに、ややこしいが、よりはっきりと“セカンドキャリア”を求めて退所するケースもある。
吉田栄作(51)は2018年末、30年間所属していたワタナベエンターテインメントを「50歳を機に」辞め、翌年1月に個人事務所を立ち上げた。独立にあたって吉田は自身のブログに、〈今年は自分にとって起承転結の『転』の年…この先まだまだ表現の旅を続けるうえで、この新しい一歩を大切にしたいと思っています〉と投稿。その後は舞台出演や歌手としてのライブ活動など、ファンと触れ合える機会を増やしている。
川崎麻世(57)も今年7月に30年間所属した事務所を辞め、他の事務所に移籍する道を選んだ。独立後のメディアのインタビューで、
「これまでは完全に舞台中心のスケジュール。舞台は2年ほど先のスケジュールまで決まってくるので、ドラマや他のお仕事をいただいても、スケジュールをあけてもらうことができない。心機一転、再スタートしもっと川崎麻世の新たな面も知ってもらいたい」
などと語った。芸能ジャーナリストの二田一比古氏がいう。
「俳優もキャリアを重ねれば重ねるほど、自分が本当にやりたいことが見えてくる。若い頃は事務所の方向性に従うしかなく言われるままに仕事をするしかないけれど、しだいに“このままでいいのか”と考え、自分の新しい方向性を模索するようになる。その考えが事務所と一致していれば残留、事務所と話し合っても一致点が見いだせなければ移籍や独立を選ぶことになるのです」
川崎の場合、移籍先の思惑も絡んでいる。
「川崎が移籍したプラチナムは、一度全盛を迎えたタレントを再生させ、話題作りをして売り出すことに長けている。小倉優子や小柳ルミ子などの例がそれにあたります。双方のメリットが合致したと言える」(二田氏)