若者を中心に人気のYouTube。小学生がなりたい職業の上位にYouTuberが入るなど、いま熱い注目を浴びるこの世界で、精力的に動画を配信する高齢者YouTuberがいる。
今年1月にYouTuberデビューした飯田美代子さん(90)は、YouTubeで現代の人が忘れがちになっている日本のしきたりや作法などを丁寧に教えている。
「瑣末なことですけど、たとえば日本語の使い方が変だったり、装いが着崩れしていたりすると、気になってしまうんです。日本の良いところと悪いところを、今の若い人たちに伝えなきゃいけない。しきたりとかそういうものは誰かが教えないといけないんですよ」とYouTubeを始めた理由を語る。
「着物の立ち振る舞いを学ぶ」の回では、和服での歩き方、襖の閉め方、玄関の上がり方など細かな所作と礼儀を、宮代清子さん(浅草 茶寮一松女将)を生徒役に、実践を交えて解説する。
「キレイな箸使いを学ぶ」では、箸の種類と由来など、ただの作法だけでなく文化も伝える。こうした“気品ある女性”になるための様々な作法が紹介されているのが特徴だ。
動画の収録は、長い付き合いがある東京・浅草の老舗料亭「茶寮一松」で行なわれている。飯田さんが塾長を務める、和の基礎知識や歴史などを学ぶ「和婚塾」もここで開催される。