9月30日、大麻取締法違反の罪で起訴された俳優の伊勢谷友介被告(44才)が保釈された。伊勢谷は「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪した。
芸能人の不祥事は飲酒運転、不倫、薬物問題などさまざま。一定期間の活動自粛を経て復帰するケースが多いが、ダメージが大きいのが、クリーンイメージを大切にする広告にその後なかなか復帰できない点にある。矢口真里は2013年5月に不倫を報じられ、芸能活動を自粛。ネット番組などの出演はその後果たしたが、2016年3月、日清食品のカップヌードルのCMに出演したところ、非難が殺到した。
同CMは、「世界に通用するグローバルおバカ人材の育成を目指す大学『OBAKA’s UNIVERSITY』」というシリーズで、矢口は「危機管理の権威・心理学部 矢口真里准教授」として登場。「二兎を追うものは、一兎をも得ず」と語るのだが、これが自らの不倫から得た教訓を力説していると捉えられ、不謹慎とされたのだ。
結局、矢口はその後、自身が出演するAbemaTVの『The NIGHT』と出前館のタイアップCMに短期間出るだけとなり、過去の不倫がCM出演の足かせになっている。ならば伊勢谷のCM復帰はあり得るのか? 広告会社のプランナーはこう見る。
「大手では難しいと思います。矢口さんの例を見ても、『なぜ不祥事を起こした者を使うのだ!』や『もう御社の商品は買いません』などのクレームが来るのは明白。CMには多くのお金をつぎ込むだけに、ネガティブな反応が予想されるものをあえてやるのは愚の骨頂です」
だが、尖ったイメージを打ち出したい新興のベンチャー企業などはむしろ不祥事タレントを使いたいと考える面もあるのだという。CMのギャラというものは「時価」であり、需要が低くなれば安くなるもの。前出のプランナーはこう語る。
「圧倒的知名度を誇る芸能人が不祥事を起こした場合、起用する会社はなくなるため、必然的にギャラは安くなります。炎上覚悟でその人を起用して話題化をしようとする“やんちゃ”な会社もこれからは登場するかもしれません。何しろかつて5000万円のギャラだった人を3000万円で起用できる、といったケースもあり得るわけですから」
不祥事芸能人を使うのは一か八かの賭けではあるものの、「不祥事後初CM」「懺悔の出直し」などと多くのメディアで報じられるため、コスパは良いと考えられているのだ。あとは起用する側の腹のくくり方次第ということである。