SNSはそれぞれの特性などによって、ユーザーにも一定の傾向がみられる。2004年にサービスが開始したフェイスブック(Facebook)だが、最近では若年層ユーザーが離れつつあるという報道も出ている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、フェイスブックの今について考察する。
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「若者のフェイスブック離れ」が言われるようになってから久しい。米・エジソン・リサーチの調査によると、アメリカでは12~34歳の若年層の利用者は2017年の8200万人から6700万人に減少したという。日本でも2015年の段階で「Facebook、若者離れ&ユーザー激減が深刻…もはや、おじさんの道具?」という記事がニュースサイト「ビジネスジャーナル」に掲載されていた。
確かに、積極的に更新し、コメントを残すのは40~50代が多いように感じられる。実際に20~30代の若者に聞いてみるとこんな声があがる。
「上司の武勇伝を聞かされている気になる」(30代・男)
「ランニングしたことばかり書いていて、意識の高さに辟易する」(20代・男)
「高いものを食べたことや、外車やタワマンの自慢が鼻につく」(30代・女)
また、嫌われる理由の一つが、何らかの流行り物を皆が一斉に開始し、披露し合うところにもあるという。古くは「診断メーカー」があった。「あなたを酒に例えると『米焼酎です』」みたいなことを教えてくれるツールのことだ。
最近は、「自分の顔を男は女に、女は男に加工できるアプリ」で作った顔をシェアする人が続出した。男性の場合は「きれいですね!」や「ナンパしたくなるぐらい美人です」などと書き込みをされる。もっと直近では、フェイスブックの新機能である「Facebookアバター」で自分自身とソックリなアバター(分身)を作るのが盛んとなった。お披露目をし、「そっくりですね!」と言われるのが快感なのだ。
分かるのである。この感覚。2000年代中盤~後半、新しいサービスが登場したところで次々とブログで攻略法を書き、挙句の果てには本まで出してしまう人が相次いだ。仮想空間のセカンドライフ、生中継配信のUstream、メモアプリのEvernoteなどがそれだ。