新型コロナウイルスとインフルエンザが共存する初めての冬がやってくる。その2つに立ち向かうには、インフルエンザワクチンが重要だというレポートがいくつも報告されている。しかし、全国民が接種できる数はない。供給量が足りないなかで、どうすればインフルエンザワクチンを接種できるだろうか。
まず求められるのが、早め早めの対応だ。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはいう
「まずは近隣病院あるいは、かかりつけのクリニックに早めに予約をしてください」(一石さん)
ワクチンを接種できる医療機関も限られるので、注意が必要だ。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんはいう。
「ワクチンをどこにどれだけ供給するかを実質的に決めているのは国ではなく、薬の『卸業者』です。卸業者は前年にワクチンを卸した医療機関としか取引しないので、前年にワクチンをたくさん供給した医療機関は“お得意さま”として今年のワクチンの在庫も多くなります。逆にこれまでの実績がない医療機関には基本的にワクチンは供給されません。
またインフルエンザワクチンを取り扱うのは大学病院よりもクリニックの方が多いので、必然的にクリニックの在庫が増えます」(上さん)
ワクチンの供給に「地域差」があることにも気をつけたい。
「子供の数や人口の差によって過不足が出ます。つまり、ワクチンは『ないところにはないが、あるところにはある』というケースが多い。周辺の医療機関には不足していても、少し足を延ばせば、近隣の医療機関に在庫があるかもしれません。最近はインターネットが普及したので、医療機関に直接問い合わせるほか、『まだワクチン接種できます』というネット情報を探してみるしかありません」(一石さん)