コロナ禍において距離感のとり方、に苦労している人は多いはずだが、声のかけ方ひとつでヒントになる。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。
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今、日本には深刻な分断が広がっています。経済方面や政治方面の分断も深刻ですが、日常生活で悩ましいのがコロナに対する“警戒度”の違いによる分断。それが原因で、人間関係に摩擦や軋轢や激しい対立が生じることも少なくありません。
10月1日から「Go Toイート」が始まったり「Go Toトラベル」に東京都発着の旅行も含まれるようになったり、あるいは怖がることに飽きたりなどで、以前のようなピリピリムードは少しずつ薄れてきました。しかし、感染者数が劇的に減っているわけではなく、まだけっして安心できる状況ではありません。
コロナウイルスの感染予防対策に細心の注意を払うか、マスクや手洗いなどやるべきことはやるとしても、なるべくノンキに過ごすか。どちらが正解という問題ではありません。高齢者と接する機会が多いかどうかなど人によって事情もさまざま。お互いのスタンスを尊重して無難に接するのが、大人の分別であり意地です。
休日に家族で旅行に行った話をしたら嫌な顔をされた、自宅に戻ったら即座に風呂に入ると言ったら笑われた、マスクをぞんざいに(or慎重に)扱う様子を見て軽蔑した──。知り合いや取引先の担当者などとのそんな悲劇を未然に防ぐためには、相手の「コロナ警戒度」を知っておくことが大切。たとえば次のような世間話をひとつふたつ繰り出して、そのリアクションから警戒度を把握しましょう。
【相手の「コロナ警戒度」がわかる3つの世間話】
●世間話その1「Go Toなんちゃらが、いろいろ始まりましたね」
●世間話その2「マスクって食事のときの置き場所に悩みますね」
●世間話その3「朝晩の通勤電車は、もう普通に混んでますよね」
細かく説明するまでもありませんが、その1の「Go Toなんちゃらが、いろいろ始まりましたね」に対して、「危ない」「怖い」「時期尚早」といったネガティブな反応を見せる人は、警戒度が高いと思って間違いありません。逆に「せっかくだからいろいろ活用しなきゃね」などと張り切っている人は、それほど警戒度が高くないでしょう。
その2の「マスクって食事のときの置き場所に悩みますね」に対しても、どっち向きに折り曲げると安全だとか、どこにどうしまうかといったことを教えてくれる人は、警戒度が高そうです。「そうだよね。俺は丸めて胸ポケットに突っ込んじゃうけど」系の人は、きっと警戒度は高くありません。
マスクをどのぐらい慎重に扱っているかを観察することでも、警戒度の高さは推察できます。マスクケースを持っているかどうかは、あまり関係ないかも。持っていると警戒度が高い人に見えますが、新しいアイテムが好きなお調子ものタイプ≒警戒度が高くないタイプが、得意気に持っていることもあります。大まかに言って、オシャレな布マスクをしている人は、警戒度はそれほど高くないと判断して差支えないでしょう。