頭脳明晰な現役の東大生チームが、芸能人チームとバトルを繰り広げる人気クイズ番組『東大王』(TBS系)。番組人気の高まりとともに、当初はこの番組のみの出演だった東大生メンバーが別の番組への出演するケースが増えている。その背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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毎週水曜19時台に放送している『東大王』(TBS系)のメンバーが他番組に出演する機会が増えています。
「東大文学部の叡智」「愛称・ジャスコ」こと林輝幸さんは、6月16日の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)にトークゲストとして出演したほか、『林修の初耳学』(MBS、TBS系)に今夏からほぼレギュラー出演。さらに8月8日の『今田耕司☆ヒットの世界 東大生が通販してみた!!』(テレビ朝日系)、9月5日の『裸の少年』(テレビ朝日系)にも出演しました。
「スタンフォードが認めた才媛」こと鈴木光さんは、『プレバト!!』(MBS、TBS系)の俳句コーナーに何度も出演しているほか、9月24日の『閃いたら勝ち』(TBS系)にカズレーザーさんと“チーム高学歴”として出演。
「ミスター難読漢字」こと砂川信哉さんは、6月3日の『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)、8月8日の『今田耕司☆ヒットの世界 東大生が通販してみた!!』に出演。3代目大将であり、「IQ165の天才」こと鶴崎修功さんは、6月19日の『勇者ああああ』(テレビ東京系)に出演しました。
また、8月29日の『オトラクション』(TBS系)、9月24日の『プレバト』に、東大王のメンバーがそろって出演。今年3月の段階でも、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)、『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)など、メンバーそろって出演するケースが多かったものの、個々の出演はそれほどありませんでした。このところ、いわゆる「バラ売り」が増えているのです。
タレントとのギャップが武器になる
東大王のバラ売りが増えている理由は、タレントと同等以上の好感度。
頭のよさは当然として、正しい言葉づかいと清潔感、正解するたびに頭を下げる謙虚さ、負けても相手を称える潔さ、フィーチャーされても浮かれない様子は、タレントにはない好感度を抱かせます。特にテレビ局が重視するファミリー層からの支持が厚く、親や祖父母の世代から「子どもに見せたい」「こういう子に育てたい」、子どもたちから「頭がよくてカッコイイ」「東大王のようになりたい」と思われていることが大きいのでしょう。
もう1つの理由は、タレントと学歴・知識・教養などを対比させてギャップを描きやすいから。出演番組を見ると共演のタレントたちが、彼らの学歴・知識・教養に驚いたり、ひれ伏したり、引いてしまうシーンなどの大きなリアクションを取るシーンがよく見られます。