床は掃除機をかければ安心と思いがち。しかし、何気なく動かすだけでは、ほこりや髪の毛が残りダニやカビの原因に。そこで、効率よく効果的な掃除機のかけ方を床材別に紹介します。
ほこりや髪の毛は、床材によってたまりやすい場所が異なる。家事代行サービス「CaSy」にて、延べ1000軒の家をきれいにしてきたベテランスタッフの松浦純子さんはいう。
「フローリングは板目、畳はい草の目にたまるので、目の向きに沿ってかけます。カーペットは、毛の根元にたまったほこりを雑巾でかき出してから、2方向に掃除機をかけるときれいになります」
家の中で掃除機をかける順番は、ほこりや髪の毛がたまりやすい寝室や洗面所を先に行うのがよく、掃除をする時間帯や換気のタイミングも大切なので見直したい。
「ほこりは家族が寝静まった夜中にたまるので、掃除機は朝一番にかけるのがベスト。でも、朝早くで騒音が気になる場合は、フローリングならモップだけでもかけておき、掃除機がけは午前中には済ませたいですね。窓を開けての換気は、風でほこりを舞い上げないように終わってから行いましょう」(松浦さん)
吸引力を維持して吸い残しなく掃除するには、掃除機自体の手入れも大切。集塵方法が紙パック式の場合は、紙パックがいっぱいになるまで放置せず、半分くらいで取り替えるのがおすすめ。サイクロン式の場合もこまめにゴミを捨て、ダストカップやフィルターの掃除も定期的に行いたい。T字ノズルの回転ブラシにもほこりや髪の毛が付着する。放置すると回転力が弱まるため、定期的に取り除いて。
【フローリング】「板目に沿ってゆっくりかける。くぼみはすき間用ノズルを使用」
掃除機は、“押す”と“引く”の重ねがけで1セットと考える。約1mの距離を2秒ほどかけて、大きくゆっくり往復させると吸い残しを防げる。
事前に幅木や家具にたまったほこりをハンディーモップで拭いておくと、床に落ちた分も掃除機でまとめて吸い取れる。
板目の向きに沿って掃除機をかける。基本的には1か所1往復で問題ないが、食べこぼしなどがある場合は数回往復するとよい。
T字ノズルの裏側をチェックし、ノズルの先端と側面のうち吸い込み口との距離が近い方を壁に沿わせると、隅のほこりまできれいに吸い取れる。
引き戸のレールやサッシの掃除には、すき間用ノズルが便利。吸い込み口が狭く勢いが強いため、深いところにたまったほこりや汚れをかき出せる。