都内の閑静な住宅街の一角にある、平安時代に創建された古刹。境内には著名人の墓も点在している。ひときわ大きな敷地に、彩りにあふれた花が供えられた2基の墓が建っている。その一方に眠るのは、8月10日に亡くなった渡哲也さん(享年78)だ。9月16日に四十九日法要が行われ、納骨も終わった。墓前で手を合わせるファンがいてもおかしくないが、不思議と墓参者の姿は見当たらない。
「渡さんは“静かに送ってほしい”という遺言を残していましたから、四十九日法要も、その後の納骨も、ご家族と限られたかたたちだけでひっそりと行われたんです。ファンのかたも近所に住む人も、ここに渡さんが眠っていることは知らないのではないでしょうか」(同寺の檀家女性)
遺言が守られたことで葬儀に参列できなかった石原軍団のメンバーも、10月5日現在墓参りには来ていないという。
「舘ひろしさん(70才)をはじめ、渡さんを“兄貴”と慕っていた石原軍団の面々がお墓参りに行っていないのは、自分たちが顔を出すことで騒ぎになることを避けて、“静かに”という渡さんの遺志を尊重するためなんです。当然、手を合わせたい気持ちはありますが、いまはがまんしている。いわば、団長の遺言を守り続けているんです」(芸能関係者)
そんな中、渡さんとともに石原軍団を支えてきた舘と神田正輝(69才)は、ひっそりと“再会”を果たしていた。
「月命日にあたる9月10日、舘さんと神田さんは渡さんの自宅を訪れ、納骨前の遺骨にやっと対面できたようです。線香をあげ、会話するように長時間手を合わせていたようです」(前出・芸能関係者)
渡さんが静かに眠る墓は、家族に対する愛であふれた墓でもある。
「渡さんのお墓のすぐ横に、もう1つお墓が建っているのですが、それは奥さんである俊子さんの実家のお墓なんです。そもそもこのお寺は俊子さんの実家の菩提寺で、兵庫県の淡路島出身の渡さんは、地元にあったお墓を2007年にここに移しているんです。その際、自分のお墓の横に、俊子さんの実家のお墓も新しく建立しました」(前出・檀家女性)