誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家で、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、競馬を楽しく続けるためのメンタルの対処法「KK(後悔回避)」の工夫について、具体的な手法を考えた。
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レースが終わった日曜日の夕刻、ぐったりとする。2日間、自分なりに全力で闘った疲労感とは少し違う。負けて落ち込むのは当然で、土日プラス収支の場合にも胸がどんよりしている。レースへの期待の大きさと、その結果のギャップにメンタルが上下に揺れ、どこかやるせないのである。
対処法として、前回はKK(後悔回避)の工夫を考えた。「後悔回避の工夫」だからKKKでもいいけど、京浜急行の略だしKKで。日ノ出町のウインズに足を運んだのはいつのことだったか。そのあとで沿線に住む友人と一杯やるのが楽しかった。
焦りが後悔を呼ぶ。腰を据えていれば、たとえハズれても後悔は小さい。焦って腰高になっておざなりに決めてしまうから「もうちょっと冷静になっていれば」と顧みることになる。これが12レースも続けば、そりゃぐったりするわな。競馬での決定事項は多く、締め切り時間もあるから、焦らないことがKKの要だ。
投入金額である。馬の選定と比べておざなりになってはいないだろうか。そのレースにいくら注ぎ込むのか。迷うところをあらかじめ決めておく。たとえば複勝とワイド。「この馬が勝つ!」と定めた馬の複勝1点、そしてそこからのワイド6点流し。複勝1000円、ワイド300円。トータルで2800円。これを上限とする(個人の意見です)。