アイドル写真集の“聖地”と呼ばれるのが、東京・神保町にある伝説の古書店「荒魂書店」だ。大量のアイドルグッズで溢れた店内をくまなく調査すると、ファン垂涎の逸品、昭和・平成の芸能史を語る上でも重要なお宝があれよ、あれよという間に、次々発見された。
お宝グッズの代表とも言えるのが「写真集」だ。ブレイク前に撮られた写真は、露出度の高いモノも多く、プレミア価格が付けられやすいからだ。1万点以上の在庫の中で最も高価なのが蒲池幸子の『NOCTURNE』(1990年)だ。荒魂書店の鎌田俊一店長が解説する。
「ZARDの坂井泉水さんがレースクイーン時代に本名で出した写真集で、本人が死去した今でも常に20万円前後の価格がつきますね」
また田中美佐子や五月みどりといった有名女優のヌードは安定的に高いという。大物女優はやはり強く、松田聖子や桜田淳子、河合奈保子といった昭和のアイドルも、根強いファンが多いため高値安定だ。
その一方で、たとえばサイン本であっても、剛力彩芽のようにスキャンダルや熱愛報道によって値段が下がってしまう場合が多い。人気は水物なのだ。
■撮影/下城英悟
※週刊ポスト2020年10月16・23日号