生活のなかで、ふと素朴な疑問を抱くことはないだろうか。どんなものであっても疑問を感じて、その真実に迫ることは、最高の「脳トレ」になる。そこで、今回は交通にまつわる素朴な疑問をピックアップ。専門家に、その答えを教えてもらった。
【疑問1】自転車は左側通行? 右側通行? 自転車保険に入らないと罰則ってホント?
【答え】自転車は軽車両扱いで左側通行が基本。自転車保険は多くの地域で義務化
「道路交通法上、自転車は軽車両と位置づけられ、車道の左側を通行しなければなりません。ただし、【1】歩道に『普通自転車歩道通行可』の標識があるとき、【3】13才未満または70才以上、【3】体の不自由な人などは歩道通行が許可されています。その際は歩道の車道寄りを徐行し、歩行者の妨げになる場合は一時停止する必要があります。違反すると2万円以下の罰金または科料が科せられる場合も。
自転車保険は2015年に兵庫県、2020年には東京都など27都道府県および10政令指定都市で加入が義務づけられました。『義務』または『努力義務』となっており罰金刑はありません。しかし、事故が起きる可能性は誰にでもあり、そんな“もしものとき”の備えが大切です」(自転車文化センター・井野誠さん)
【疑問2】方向音痴とそうでない人の違いはなに? 男女差はあるの?
【答え】「空間把握力」があるかないかがカギ
「基本的な違いは“脳の働き”です。方向感覚の仕組みはかなり解明されていますが、個人差の原因はまだよくわかりません。
カギとなる能力レベルは、『空間関係を把握する力(空間把握力)』と『目印を記憶する力』の2つです。前者は男性の方が得意という研究結果がありますが、後者に男女差はないようです。方向感覚については、自己評価では、女性の方が圧倒的に『自信がない』と考えている人が多いようです。
方向音痴を改善するためには、目印や空間関係の把握を心がけること。たとえば、遠くの建物や山を意識することで自分の位置や進んでいる方向を把握しやすくなります。
目印としては、はっきり見えるもの、ほかと区別できるもの(コンビニなどどこにでもあるもの以外)に注目するようにするといいでしょう。方向感覚のいい人と一緒に歩き、何に注目しているか聞くと参考になります。
ただ、方向音痴の人は、そもそもそういうことに慣れていませんから、もしもストレスになるならば、誰かに聞いたり、スマホのナビ機能などの先端技術に頼ってよいと思います」(静岡大学教育学部教授・村越真さん)