夕日が落ちかけ、東京の空があかね色に染まっている。その下で、嵐の5人が汗を飛び散らせながら歌い、踊る。時には笑顔を見せ、カメラに視線を投げかけ──ファンはそんな姿を思い描き、その日を待ちわびている。
「最後のライブをみんなと共有できるのがすごく楽しみです。しかも、記念日を一緒に過ごしたいというファンみんなの気持ちを5人がわかってくれていたのも、うれしかった」
30代女性が興奮気味に話すのも無理はない。当選確率20倍以上といわれ、「芸能界一のプラチナチケット」と呼ばれる嵐のライブが“抽選なし”で見られるのだ。苦渋の開催断念から半年、彼らがファンに届けたい思いとは──。
新国立競技場で行われる『アラフェス 2020 at 国立競技場』の配信日が発表された。相葉雅紀(37才)が公式サイトの動画で「ぼくたち嵐のデビュー日、11月3日に配信します」と宣言したように、デビュー21周年の記念日に決まった。そのライブはファン、そして嵐の5人も待ちに待ったものだ。当初は5月15、16日に予定されていたが、コロナ禍によって無念の延期となっていた。
「嵐は2013年まで6年連続で国立競技場でライブを行い、ファンと特別な思い出を作ってきました。その生まれ変わった聖地での単独アーティスト初公演は、活動20周年の集大成という記念すべきイベントのはずでした。ファンも楽しみにしていただけに、公演の開催が延期となった時点で5人はさまざまな形での開催を模索していました」(芸能関係者)
その日から今日まで、5人は来たる日のために精力的に準備を進めてきた。メンバーはギリギリまで観客を入れる可能性を検討していたという。
「嵐は年内で活動を休止するため、直接ファンにこれまでのお礼を伝えたいという気持ちが強く、9月に入ってからも何度も話し合っていました。どうすればライブを安全に楽しんでもらえるのか、人数を減らせば大丈夫なのか、感染の拡大状況について情報収集をしながらベストを尽くそうとしていたのです。そして、10月の開催を目指していました」(前出・芸能関係者)
9月中旬に出した結論は無観客ライブのネット配信だった。しかし、松本潤(37才)は無観客配信を発表した9月15日、ファンクラブサイトの動画でこう前向きに話した。
「(ファンに)直接会えないというのは非常に残念な思いもありますが、逆に言うとファンクラブ会員のみなさまが全員、同じような状況で見られる形になったというふうにとらえております」